カブトムシ研究者から学ぶ採集のあれこれ
東大のカブトムシの研究者小島渉氏の本を読み、採集について書かれている箇所をまとめます。
内容を新鮮と感じるか、当たり前と感じるかは人それぞれですが、研究者さんは情報をアウトプットするまでに論理的に思考して適切な試行を重ねるので、個人の経験談と違って情報源として信頼がおけます。それをまとめた次第です。
ちなみに書籍の本題は採集ではなく、生態に関することです。
不思議だらけカブトムシ図鑑/小島渉
カブトムシの音がきこえる 土の中の11か月
両方のポイントがあるのが一番ですが、どちらを優先的に探すべきでしょうか。
1.終齢幼虫の採集は秋以降。
2.冬場でも見つけられないほどの深さには潜らないので、普通に採集可能。
採集の話を抜きにしても面白い本なので、お勧めです。
内容を新鮮と感じるか、当たり前と感じるかは人それぞれですが、研究者さんは情報をアウトプットするまでに論理的に思考して適切な試行を重ねるので、個人の経験談と違って情報源として信頼がおけます。それをまとめた次第です。
ちなみに書籍の本題は採集ではなく、生態に関することです。
不思議だらけカブトムシ図鑑/小島渉
カブトムシの音がきこえる 土の中の11か月
幼虫と成虫、どちらのポイントを探すべきか
幼虫の生育環境がなければ成虫は発生しません。樹液ポイントがなければ成虫が生きていけないので幼虫も発生しません。
両方のポイントがあるのが一番ですが、どちらを優先的に探すべきでしょうか。
著者によると、幼虫ポイントを優先すべきということでした。
成虫は周辺にクヌギコナラがなくても、他の木の樹液を餌に生きることができるようです。
私なりにざっくりまとめると、成虫の生育環境は割となんとでもなるから、幼虫の生育環境を探す方が有効ということです。
成虫の活動場所と時刻
カブトムシの成虫は22時から2時に活動のピークを迎えるそうです。
また、活動時間外では樹上で休んでいるそうです。
カブトムシは多くの人の想像以上に都心に生息しているのに見かけない理由として、活動ピーク時に人間は寝ていることと樹上は人間の死角になっていること等が挙げられます。
ここでの示唆は、
1.カブトムシは木の根元を掘ってもほとんど出てこない。
2.競争が多いポイントでは、朝方ではなく真夜中に採集するのがベター。
ということになります。
人の活動と幼虫ポイント
カブトムシは人と共に暮らす虫と言われています。
カブトムシの幼虫ポイントは、山の廃材置き場、公園の落ち葉集積場、畑の堆肥などです。いずれも人の手が入っています。田舎の昆虫と思われがちですが、人里離れた山奥よりもむしろ人里こそが重要な生育環境のようです。
落ち葉集積場
幼虫の成長と採集時期
カブトムシの幼虫は夏に孵化し、急成長して秋には終齢幼虫になり、冬場はあまり食事をせずにじっとしているそうです。このことから、幼虫採集において以下のことが言えます。1.終齢幼虫の採集は秋以降。
2.冬場でも見つけられないほどの深さには潜らないので、普通に採集可能。
母親が大きいと子供も大きくなる傾向にある
卵が大きいほど成虫は大きくなりやすく、また母親が大きいほど卵は大きくなりやすいそうです。
ブリードにより大きな成虫を狙う場合、着目すべきは母親のサイズということになります。
その他、幼虫の挙動について
書籍の全てをここには書けませんが、幼虫は広い腐葉土内で一箇所に集まる傾向にあるとか蛹が音を出す理由とか、興味深い研究内容が記されています。
採集の話を抜きにしても面白い本なので、お勧めです。
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